Asian Human Resources
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Vol.4

海外就労者の送金額がGDPの10%を占める。

2015年7月17日

  筆者はフィリピンのマニラから先月下旬帰国しました。今後は現地の協力者との連携により、リクルーティングに関するサーチと新規事業の立ち上げのために毎月の一定期間を出張に当ててまいります。

  ところで、今回のAsian Human Resources Vol.4ではフィリピンの労働力等に関する特徴を紹介します。手元にある調査リポート「フィリピン経済の現状と今後の展望」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの堀江正人主任研究員)を参考に筆者の調査と現地での体感を交えながら書きます。

  フィリピンはASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国のメンバーです。他にインドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアで構成されています。域内総人口は6億人。GDPは18兆ドル。
  人口の上位5カ国は、@インドネシア(約2億5000万人)、Aフィリピン(約1億人)、Bベトナム(約9000万人)、Cタイ(約6900万人)、Dミャンマー(5100万人)。
写真2   フィリピンはそれらの中でも人口が増え続けている国の1つです。図1のように、日本とフィリピンの人口の推移を見ると、2008年以降なだらかな人口減少を示す日本に対して、増加を続けています。2008年の9000万人は7年後の2015年には1億人となる見込み。
  それに対して、日本は同様に1億2800万人が今年には100万人も減って1億2700万人くらいになると予想されています(世界経済のネタ帳)。もしもそうなれば、数年後には両国はほぼ同じくらいの規模になる計算。

  近年のフィリピン経済は60〜90年代の低迷期を脱して好調に推移して、過去数年間の年率成長率は6〜7%を維持しています。景気拡大の原因は個人消費であり、それを支えているのが海外フィリピン人労働者からの送金だそうです。送金額は2003年から2013年までの10年間で3倍に増加しています
  それゆえ、国の課題は、海外への出稼ぎ労働者の健闘に対して国内雇用の苦戦にあると言えます。堀江正人氏は調査リポートの中で次のように述べています。「フィリピンは近隣諸国を上回る経済成長率を達成しているが、失業率は近隣諸国よりも高い。すなわち、ジョブレス・リカバリ(雇用なき景気回復)の様相を呈している」と。
  同氏は、その理由として、「人口増加率が高く新規学卒者が労働市場に送り出されるのに対して、外国からの直接投資が少ないために雇用の創出が十分ではない」、「雇用環境が悪いために1000万人のフィリピン人の海外出稼ぎ労働者を生んでいる」と分析しているのです。

  私が滞在したマニラの人口は約1000万人に及びます。若者が目立ち、誰もが仕事を求めています。彼らのほとんどが国内や海外を問いません。「(雇用)条件が良い海外で働きたい」と目を輝かせて話します。そして、自分もさることながら家族に送金して家計を支えたいというのです。しかし、そこには悲壮感はありません。笑顔で答える若者たちに接しているとこちらもその気になるのが不思議です。

  フィリピン人のよいところは男女を問わず、笑顔と親切それに英語が出来ることだと思います。

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