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Vol.12

画餅に帰す!? 国家戦略特区構想の外国人house keeper

2015年12月24日

  11月下旬の講演会でマニラを訪れた時、エージェントの中からも「日本ではメード(house keeper)の需要が増えそうだと聞いていますが、事実ですか?」という質問を受けました。
  それに対して、筆者は「需給に関するデータが少なくて正確にコメントできません。疑問がある試みに期待するのは困難です」と回答しました。今回のメールマガジンではこのメードサービスについて所感を述べます。

  外国人メードの受け入れは、東京、大阪、福岡の3都市と周辺地域を対象とした国家戦略特区内の初の試みです。目的は、政府が推進する“女性が働き続けやすい環境づくり”です。しかしながら、私の所感は、外国人メードサービスに対する社会的なコンセンサスが形成されず、“鳴かず飛ばず”で終わるのではないかと予想します。その理由は以下の4点。

  第1は、夫婦不在の一般的な家庭がメードを留守宅に入れて家事に従事させる慣習がまだ普及していないこと。まして、外国人のメードに対する反応は鈍いと言わざるを得ません。
  第2は、戦略特区内での外国人メード活用を可能とするための市場予測結果が明らかでないこと。
  第3は、特区内サービスの実行に手を上げている企業数が少なすぎること。ダスキン、パソナ、ポピンズの名前について新聞が報道しているだけで、他の動きについてほとんど知られていません。

  最後の第4は、サービスに対する支払い額を予想すると、一部の富裕層しかメードを使えません。新聞報道によると、来日して働く外国人メードの時間給は日本人と同等の2500円〜3000円となっています。
  それを元に試算すると、メードを提供するサービス会社が家庭に請求する金額は少なくとも時間当たり3500円〜4000円以上が予想されます。1日5時間労働×4000円×12日間就労=240,000円(またはそれ以上)。そんな高額を支払えるのは年収で5000万円クラスの一部の夫婦です。

  働く女性の支援策として外国人メードの導入を考えるのであれば、夫婦年収800万円〜1500万円程度のアッパーミドルクラスに照準を当ててほしいのです。外国人のハウスメードの活用に対して筆者が素直に“It’s a good idea!”と明確に言えないことがわかってくれましたか?






エーピーシーズ ポーターズ株式会社 ORDIA


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